非日常 Dream
□【君と僕との3秒ルール】
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―――――放課後―――――――――
学校が終わると僕は一人で町を歩いていた。
あてはまるでないが・・・。
ただぶらぶらしたかった。それだけの理由だ。
「あー、何かスッキリしないなぁー」
正臣達と別れてからは、ずっとこんな感じで独り言を呟いて歩いている。
―――と、
ドンっ
「うわっぷ・・・」
誰かに真正面からぶつかってしまった。
「す、すみませ・・・あ。」
「ん?あぁ、竜々峰じゃねぇか」
「平和島さんっ。こんにちは」
そこで自分の事を見下ろしていたのはこのあたりで最強(恐?)と言われている平和島静雄だった。
「おぉ。・・・ん、お前一人か?」
「はい。少し、考え事があって・・・」
「そうか。・・・」
最近、平和島さんは柔らかくなってる気がする。
前まではピリピリしてて、近ずくのも怖かったけど、こうやってちゃんと目を合わせて話してくれるし、なにより優しい。
まるでウサギに触れるかのように僕の頭を撫でてくれる。
「くすぐったいですよっ、平和島さん」
「何悩んでんのかは知んねぇけどよ、」
「はい?」
「ため込みすぎもよくねぇぞ。」
「・・・」
「な。」
「・・・そう、ですね。」
平和島さんは僕の言葉を聞くと少し微笑んで、頷いた。
「優しいですね、やっぱり」
「あ?何だよ、突然」
「いえ。ははっ」
怪訝そうな顔をしてても、まだ僕の頭を撫でている平和島さんに少し噴き出していた。
「あっ、平和島さん、もしかして今仕事中でした?」
そうだとしたら僕はすごい邪魔をしているんじゃないだろうか・・・
「いや。今は休憩だな。」
「そうですか、良かった」
「ま、仕事中でもお前がいるならずっとここで話してるけどな。」
「・・・?それってどう「竜々峰っ!!」っ!?あれ、滝口くっ、うわぁっ!」
平和島さんにどういうことか聞こうとしたら、突然走って現れた滝口君に引っ張られた。
「っ竜々峰!?おぃっ・・・」
「す、すいません平和島さん!!気にしないで下さいっ!!」
まだ何か言いたげだったけど、とにかく滝口君について行くだけで精一杯だった。
平和島さんが見えなくなるまで走ったところで、滝口君は止まった。