中編
□始まった今日
1ページ/1ページ
ピピピピ
目覚まし時計が鳴る。その音で、私は目を覚ました。
「ん……」
ピッ
何とか目覚まし時計を止め、私は目を覚ました。
「ふわあ……」
まだ完全に目を覚ましてはいないのだろう。ふらつく体を動かしながら、私はカーテンを開ける。開けると、眩しい光が部屋に差し込んだ。今日は、雲一つない晴れだ。それにより、私は完全に目を覚ました。
「もう朝か……」
ふと頭を触ると、髪がボサボサなことに気づいた。そういえば、昨日ドライヤーもせずに即寝ちゃったんだっけ。私くせっ毛だから、ストレートに戻すの大変なんだよな。しかも、今日はいつもにましてくせっ毛が酷い気がするし。……いっそのこと、パーマにしてしまおうか。
なんてことを思いながら、私は携帯を手にした。画面を見ると、そこには"着信アリ3件"と表示されていた。誰だろう、なんてことを思いながら、私はふと右上に表示されている時間に目をやる。そこには、"12:30"とかかれていた。
……これはまさかの、寝坊なのでは……。
始まった今日
「……はあ」
さっきの寝坊騒動から一段落し、私はため息をつく。寝坊をしてしまうなんて、全く考えもしてなかった。それに、何故あの時に目覚ましがなったのだろう。確認すべく、目覚まし時計を見ると、針は6時をさしていた。……どうやら、壊れてしまったらしい。
でもよかった、今日が休日で。これが仕事の日だったら、もはや遅刻どころの騒ぎでは無くなってしまう。下手をすればクビだ。
「壊れるのが今日でよかった……そう、ポジティブに行こう」
そうは思うが、どうしても今日は運が悪いのではないか、と思ってしまう。くせっ毛酷かったし。
でも今日は、都会の祭があるのだ。だから運が悪い、なんて思っちゃいけないと、なんども呟いた。
「さて、ちょっと早いけど準備でも始めようかな」
それが、気を紛らわすのには最適だと、私は準備を始めた。
.