BOOK

□老いの才覚
1ページ/1ページ

「老いの才覚」
 曽野綾子 著/ベスト新書


題名だけ見ると、高齢者向けの本に思えるかも知れません。
実際、著者の曽野綾子さんも年齢と経験を重ねた立場から、老人としてどのような生き方をすべきか語っています。
ですが、老人になる前の若い世代の人たちにもぜひ読んでほしい一冊として紹介します。

東日本大震災の発生で、たくさんの人の人生が大きく変わりました。私は関西在住なのでマスコミの映像や記事から知るのみですが、被災地では想像を超える惨状が今も続いているのだと思います。
家や学校や仕事、家族や友達といった、あって当たり前の筈のものが一瞬でなくなる。
逆に言うと、地域で普通に暮らせるということがどれだけ幸せか。それを大勢の人が自覚するきっかけにもなったのではないでしょうか。

この本でも、老人へとなっていますが、介護や様々な恩恵を受けるのが当然になってしまい、感謝を忘れた人たちに呼びかける内容です。
生活の中で「周りが〜してくれない」と不満を言うより、自分で出来ることは自分でやる。もちろん本当に周囲の助けが必要な時は力を借りればいいのです。ただ出来る内は自分でやり、浮いたサービスは困っている他の人に使ってもらえればいい。そういう意識を持つ癖を身につけてほしい。
自分の人生に、最後まで責任を持って生きる大切さが記されています。
かくいう私も、平凡な毎日の中で、ついそれが当たり前になってしまいがちなのです…。
なので、この本の読後は背筋がピッ!と伸びる気分でした。生活と精神的な自立と自律。自分に出来ることを考えよう!と前向きになれる一冊です。
悲しいきっかけではありますが、震災で「被災した方々のために自分に出来ることは何か」を考えた人がたくさんいると思います。その気持ちを大切にしてほしいです。
私も微力ながらチャリティーTシャツ買いました。あとは、のろいですがこのサイトを更新し、見てくれた皆様に、少しでも良かったという気持ちになってもらえればと思っています。
日本、がんばろう!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ