Semi Sweet・3
□愛してるとか、好きだとか
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教室にいた全員がその姿に呆気にとられる。
「内藤なにやってんだ」
先生が無理やりに机から下ろそうとすると「ロンシャン君になにするんです!」と彼と何時も一緒にいるマングスタって人が絡んできて。
その後、授業は中断。
結局携帯の件はうやむやになってしまった。
あたしは休み時間になってから、内藤クンにお礼を言った。
すると、彼は真っ赤になって(案外可愛いとこあるんだ)、本当に自分のだと思ったんだと言った。
「どういうこと?」
内藤クンは自分の携帯をあたしにさしだし、マングスタに「今すぐメール送って!」と頼む。
しばらくして聞こえてきたのはあたしと同じ着メロ。
これあたしの好きな映画音楽なんだよね。
「内藤クンも好きなの?」
「うん好き、つーか、好きになったんだオレ」
「?」
「好きな子が好きな曲だしね」
あれ?今オレ何回好きって言った、と大きな口を開けて笑うから、あたしもつられて笑ってしまった。
思ったよりはいい人なのかもしれない。
山本君や獄寺君のようなカッコ良さ、そんなものは全然ないけど。
でも、内藤クンには内藤クンのよさがあるんだよね。
「内藤クン、ハイチュウ食べる?」
「ありがとう、えっ、グレープフルーツ味なんてあんの?」
「うん、それ限定なんだよ」
あたしがあげたキャンディ。
そんなものにも「やったー」と大声を張り上げて喜びを表現する。
子供みたい。
なんだか憎めないなぁ。
「別にいいかぁ・・・」
「えっ、なに?」
隣の席が内藤クンでも別にいいか、そんなことを思ってしまった。
もちろん内藤クンには内緒。
「ねーねー、何何今の?教えてよぉー」
20050605
ロンシャンはあの無邪気な笑顔といかにも男子中学生ぽい馬鹿さ加減(褒め言葉)が可愛くてたまりません。
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