おはなし
□希望の空
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刀をふった。
自分の体を守るために。
嘘をついた。
自分の心を守るために。
必死で自分を守った。
他に守るものが無いから…。
昔はあった。
大量にあった。両手で抱えきれないくらいあった。
でも無くなった。
だから自分を守った。
何となく来た道を振り返ってみた。
誰もいなかった。
1人もいなかった。
自分しかいなかった。
怖かった。
涙が溢れてきた。
その場にしゃがみこんだ。
しゃがみこんで今まで自分のしてきたことを後悔した。
誰かに頼ればよかったのに。
誰かに縋ればよかったのに。
誰かを愛せばよかったのに。
ふと顔を上げた。
白い雲がみえた。
愛をみつけた…。