Novel★short

□まもりたい
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悪魔との戦闘中
中級悪魔や上級悪魔が数体いるなか戒めの手達が戦っている。

「今だっ、神の光を狙え!」

「夕月っ!」

九十九くんが僕を庇って深い傷を負ってしまった。

「九十九くんっ、今 治しますから」

神の光の力を使う。

「うっ……」

胸を裂くような痛みに苦痛の声を上げる。

「夕月、無理しなくて…いい、からっ」

「大丈…夫です、僕にはこれ位しかできないからさせて下さいっ」
傷はみるみるうちに治っていく。胸の痛みは増していく。


悪魔達を片付けた十瑚とルカがこっちへ駆け寄ってくる。

「九十九っ、夕月ちゃん 大丈夫!?」

「うん、夕月が治してくれたから平気。でも夕月は……」

「あ、僕も全然平気ですから、みんな無事でよかったです」

「ユキ、無理はするな」

「平気だよ、ルカ。それよりルカは怪我してない?」

「ああ…問題ない」

「それならよかった」

と僕は笑ってみせるが、胸の痛みは続き立っているのがやっとだ。
(だけど、だめだ。ここで倒れたりしたらみんなに心配を懸けてしまう、ばれないようにしなきゃならないんだ…僕が、倒れ…たら………)

「ユキっ!?」

倒れた僕の体を咄嗟に受け止めたルカが叫んだ。

「夕月ちゃんっ」

「夕月っ」

(あ…みんなが呼んでる……。答えなきゃ、僕は平気だって……)
そこで意識が途切れた。






気がつくと、広いベッドの上に居た。

「目が覚めたか」

「ルカ……」

隣にはルカが居た。ずっと居てくれたのかな。
起き上がろうとすると、胸に痛みが走った。

「うっ……」

「ユキ、まだ休んでいろ。無理しなくていい」

「うん…」

また横になる。

「ごめんっ…僕っ、またみんなに迷惑かけちゃったよね…はは、本当にだめだよね、こんなっ……」
知らない間に涙があふれていた。
「戦えなくて、いつも守られててっ…迷惑かけてるっ……」

嫌気がさす、無力な自分に。

「そんなことはない。ユキのおかげでツクモは助かった、守られることは悪いことじやない、守ることが俺達の役目だ」

とルカは言い、僕の涙を拭って抱きしめてくれた。

「ルカ……」

「守らせてくれ、俺の命を懸けてもいい」

(またユキを失いたくないんだ)
ルカの唇が近づく。

「んっ……」

始めは触れるだけのキスだったが徐々に深いものに変えられていく。

「っ…ふ……んっ………」

何度も角度を変えては求めてくる。
いつしか涙も止まっていた。

「ん…んっ、はっ……ル…カっ」
唇が離れていく。

「ユキ……」

荒くなった呼吸を落ち着かせて夕月は言う。

「ルカに…ルカに甘えてもいいのかなっ///、嫌な気分にさせるときもあるかもしれないよ…?」

「もちろんだ、心配するな、ユキと居て嫌な気分にはならない。ずっと側に居てくれ…」

夕月の瞳が涙で光っていた。

「うん…ありがとう、ルカ」


ルカの腕に抱かれて眠る。

ルカの言葉は不思議だ。
胸の痛みがなくなっていく。


ルカが僕を守ってくれるなら僕もルカを守ろう。
そう心に決めた…。



end



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