TRIGUN

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2月15日
 遂に目標のDNAを採取することに成功。
 DNA情報を検出し解析にかける。

2月16日
 プロジェクト開始2日目。
 目標の遺伝子が人間ではなくプラントにより近いものであることが判明。
 信じられないことだが、標的が自立型のプラントだとするならば
 第三都市を破壊したあの驚異的な力はプラントが元来持っている生産機能を武器として応用したものと考えられる。

2月24日
 プロジェクト開始9日目。
 プラントに近い遺伝子構造であることから、水と紫外線、そして微電力を与え成長を促す(以降、これを検体1と名付ける)。
 それと平行して、人間の卵と結合させる検体2の実験も開始する。

3月27日
 プロジェクト開始41日目。
 卵との拒絶反応による検体2の死亡を確認。
 検体1に活性化の兆し有り。

4月2日
 プロジェクト開始47日目。
 検体1は僅かなプラントのものと酷似した羽根の塊となりその活動を停止。
 これより、検体3と4に重点を置くものとする……


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 ほぼ毎日つけられている研究記録。
 最後のページを読み終えると、「彼」はファイルを棚に戻し最も新しいものを抜き取る。


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4月30日
 3年と75日。
 検体1043を培養液での飼育から空気中でのものへと切り替える。
 検体は我々を親と認識、凄まじいほどの学習能力を発揮し、様々な事柄を吸収し始めた。
 検体43の成功が確認され次第、同様の方法で他の検体の製作に移るものとする。

5月3日
 3年と78日目。
 羽根が検体43の身体中から多数出現。鋭利な刃物の様な形状をとり無差別攻撃を行ったためやむ無く射殺。
 成長途上の段階で過度の情報に触れたことによる混乱から、自己崩壊を起こしたものと推測。

追記
 検体1044を凍結段階から成長段階へ移行。

6月6日
 3年と111日。
 培養液内で検体44が幼児形態から数日で成人形態へ急激に成長。
 更に成長に伴った自我の確立を確認。
 検体43の失敗を受け、この時点から44に外部の情報を与え始める。

7月20日
 3年と155日。
 検体43と同様、驚異的な早さで知識を吸収していく。
 我々の言語を認識し、声を出さないまでも黙ったままでの応答が可能。
 機器の整備が整い次第、検体44を外部飼育へ移行する。


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