銀魂小説
□温もりはどこにいても
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押し入れは居心地がいい。
狭いところは落ち着くし、パピーに手紙を書くときも誰にも見られず書ける。
でも時々………
パピーやマミー………兄ちゃんの温もりが恋しくなるときもあった。
「うっ……ふ…ぇ…」
夢を見た。
マミーが死んじゃって、
パピーが中々帰ってこなくて、
兄ちゃんがいなくなってしまった……
あの時の夢。
「神楽…?」
押し入れの戸の前には、銀ちゃんが立っていた。
「どーした?」
優しく微笑む銀ちゃん。
余計に悲しくなってその胸に飛び込む。
「怖い夢……見たアルっ……」
そう言うと優しく抱き寄せてくれる銀ちゃん。
「押し入れなんて暗ーいとこで寝てるから怖い夢見るんだよ」
銀ちゃんは泣いてる私を抱き上げると、銀ちゃんの部屋にある、月明かりが見える窓の前で座る。
「ほら神楽。キレーに月が出てっぞ」
銀ちゃんが見つめる方向を見ると、月が本当に綺麗だった。
夜空には雲ひとつなくて、窓を開けると爽やかな風が入ってくる。