いちごぱふぇ

□貰えないものは仕方ない
1ページ/11ページ

 



バレンタイン?
そんな行事、もう諦めた。
貰えないもんは仕方ねぇんだ。




しかし、そうは思っても諦められないのが、哀れな『男』という生き物なのだ。





今年も同様、家の中では物々しい雰囲気を漂わせた新八と銀時がいた。





「バレンタイン?そ、そんなもん…もう興味ないよなぁ、新八!」




そんな銀時の台詞に新八も引き攣った笑みで答える。




「そ、そうですよ!バレンタイン?んだよそれ!知らねぇよそんなん!」




繕った強気な態度。
神楽はやれやれと肩を竦めながら、定春を撫でる。





「銀さんもいい歳だから。子供みたいにギャーギャー騒ぐ歳じゃないから。し、新八ぃ、お前は気にしたほうがいーんじゃねぇの?」




「な、何言ってんすか!ぼ、僕はいーんですよ!そこらの軟弱な男共と一緒にしないでください!バレンタインなんかで騒いじゃうような男じゃないですから、僕!!」






((こいつらただの馬鹿ネ……))






ふんっと鼻で笑う神楽。



無理もない。
このやり取りは今日で3回目。

もう既に繰り返されている会話内容なのだ。



朝に1度、昼に1度。
そしてまた繰り返された。


本人たちもあまりの必死さに気付いていないのだろう。



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ