文
□おうたのじかん
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ドーレーミー♪
どぉーれぇーみぃー!!
お歌の時間です。
「みんなー、ヒース先生とお歌の練習をしよう。今日は何を歌おうかな?」
「はいはーい!ちょうちょがいいでーす!」
自称りすぐみのアイドル、セーラちゃんは幼稚園内でたった一人の女の子です。因みに保健室のオズイン先生の事が大好きです。
女の子一人でも、セーラちゃんは皆と仲良しで、喧嘩もします。
「セーラちゃんは『ちょうちょう』が良いん…あれ?何だかお友達が増えてないかな?…ラガルトくん?」
「よ、ヒース。」
「ラガルトくん、うさぎぐみはお隣だよ。」
ラガルトは何処か大企業の社長の息子です。
そんなラガルトは、りすぐみの先生、ヒース先生が大好きで、いつもちょっかいをかけたりヒース先生を困らせています。
今日はいつの間にかりすぐみに潜り込んでいたようです。
「あー!あんた、またきたの!?」
「ヒースにあいにきたんだ。」
「ラガルトくん、俺によじ登るのは良いけれど、それは休み時間になってからにしようか。」
「休み時間になったらなにしてもいいのか?」
「…さ、今はお歌の練習をする時間だ。ラガルトくんはうさぎぐみに帰りなさい。」
「ごまかしたな。…じゃあヒース、またあとでくるから。…逃げるなよ?」
ラガルトはヒース先生の背中によじ登って、頬に一つキスをすると、ピョンっと飛び降りました。
そのままうさぎぐみに帰ろうと振り返ると、
「やっぱりりすぐみに居たのか!こら、セイン先生困っちゃ…ケントくーん!おーい!」
「…ヒース先生、早くセイン先生をおいはらってください。」
「そんな連れない事言わな…」
「ほらほら、行くぞセイン。」
「ああケントくーん…」
セイン先生はケントくんが大好きで、だけどケントくんはセイン先生を邪険に扱います。
嫌い、というわけではなさそうです。
セイン先生は、ラガルトくんに引き摺られるようにしてうさぎぐみに帰っていきました。
「気をとり直して…、今日は『ちょうちょう』を歌おうか。」
「はーい!」
ヒース先生のピアノに合わせて、お歌の練習が始まりました。
END
→あとがき