思いつくままの妄想小説2

□2人の愛ランド
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「ココ、他の人いないんだしさ、2人して思いっきり泳いでくれば?」

ココに来るまでの間、やたらに俺達に付きまとってきた野郎共。
それを知っているからこその十代目のお言葉なんだろう。

その言葉に、思いっきり期待したのだろう。
キラキラした目を向けてくる。

さっきまでの落ち込みが嘘のように、今度はしっぽを振って遊んでモード全開のワンコになる。

「・・・分かりました。しょうがねぇ、行くぞ山本」
「やったぁ!獄寺大好き!!」
「こ、こら!そのカッコで抱きつくな!!」
「はいはい。イチャイチャしてないでさっさと行けよ。
俺もツナも独り身なんだからな。目の毒だ」
「そんなのしてねぇ!!」
「はーいっわかりましたぁ」
「ちょっ?おい!引っ張るなって」
そのまま引きずるように連れていかれた。
そんな俺達を見て、十代目が苦笑している。

あぁ、十代目すみません。
貴方のおそばにいてお守りするのが右腕たる俺の仕事だというのに。

心の中で謝罪しながら引きずられるままに海に入ることになってしまった。


「けどさぁ、いいよな女の子同士って。こんな風にくっついてても"仲良し"ですむんだもんな」
「は?」
「男同士なら"おかしい"だろ?」
「まぁな。雲雀風に言うなら女は"群れてる"からじゃねぇ?」
「群れ?」
「女って、割と一人を嫌がるじゃん?誰かと一緒なら安心するんだろ?」

ま、例外もいるんだろうけど。

「うーん、そうかな。
でもさ、女同士でダブルルームとっても何とも思われないのに男同士だと不審な顔されるのおかしくね?」
「・・・普通はそうだろ」

まだブツブツと言っているコイツを放っておいて海を満喫した。

ダイビングでもやりたい気分だ。
確かどこかでやっていたよな。

そんなことを考えていると、いきなり引き寄せられた。

「やまっ?!」

そのまま抱きしめられ、声を失う。

「せっかく2人きりでいるのに何で俺のこと無視するの?」
「そ、そんなつもりは・・・」
「俺はいつでも獄寺のことばかりなのに」

哀しそうなその声に心が痛む。
そんなつもり無かったんだけどな。

思わずキスしそうになって、でもココで戻られても困るから。


「・・ホテル戻るか?」

真っ赤になった俺の、言いたいことが分かったのか

「うんっ!」
嬉しそうに頷いた。
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