思いつくままの妄想小説2
□Dr.シャマルに任せたら
4ページ/10ページ
一旦家に帰り、獄寺の家に。
夕飯は、そろそろ寒さが厳しくなってきたからなにか暖まるモノを、と言うことで。
「・・・男2人で鍋かよ」
「すき焼き。獄寺食べたこと無いだろ?」
「無いけど・・・」
口調は仕方なさそうだけど、目はキラキラと輝いている。
「肉屋のおっちゃんがサービスしてくれたから、かなり量はあるぜ」
「食えるのか?こんなに」
「余ったら明日の昼、牛丼な」
「良いけどな、別に」
家から持ってきたカセットコンロに興味津々の様子。
こうやって食べるのが面白かったのか、小食の獄寺もかなり食は進んだらしい。
夕飯食って、お互いが好き勝手に過ごしていた頃。
窓ガラスを叩く水音が聞こえ始めた。
「アレ?雨」
外を見てみると、結構な量が降っている。
「マジかよ。やむかな」
「天気予報では60%だったから油断したな」
「まぁ、少し経てばやむ・・・」
言いかけた途端、土砂降りになった。
オマケに雷まで鳴り出して・・・
「季節はずれの台風か?」
「流石獄寺、嵐の守護者だな」
「関係有るか!それ言うならお前とアホ牛のせいじゃねぇの!?」
「あはは。でも、帰れっかな」
「・・・無理かもな」
「帰れなかったら泊めてくれる?」
内心ではガッツポーズをしながら出来るだけ冷静に。
"泊まる気なんか無かったけど、雨が酷いので仕方なく"的に。
獄寺の部屋に、客用の布団なんかあるわけがない。
真夏なら諫知らず、ソファに寝ろなんて言わないだろう。
そうすれば、必然的に・・・
「泊まるたって、布団なんか無いぜ?」
「あ、俺ソファで寝るから」
「・・・幾ら馬鹿でもこの季節じゃ風邪ひくだろ」
ほんと、こういうトコ優しいというか、甘いというか。
俺の筋書き通りに事が運んでいく。
「・・一緒に寝ることになるけど、それでも泊まるか?」
「獄寺さえよければ、俺は構わないけど?」
「分かった。好きにしろよ」
少し声が震えていたように聞こえたのは俺の気のせいだったのだろうか・・・?