思いつくままの妄想小説

□がぁるず☆ぱにっく 1
4ページ/6ページ

「風呂、借りてイイか?」
「あ、あぁ。良いけど着替えとかは?」
「さっき、親父に持ってきて貰った」
そのでかいボストンバッグは、着替えだったのか。

結局、部屋にはいるまで口を聞かず、ようやくしゃべったと思ったらそれかよ。

・・・・怒っているんだろうか?

普段ウザイくらいにしゃべるコイツが黙っていると何か調子が狂う。
女になってしまったことより、コイツが口を利いてくれないことの方に凹んでいる自分が信じられない。



「獄寺、ポカリ貰ってイイ?」
いきなり声をかけられて驚いてしまった。
「勝手に飲めよ」
「サンキューな」
濡れた髪を拭きながらこっちへ来るコイツを見て、顔が熱くなってしまった。
「Tシャツくらい着ろよ!」
「なんで?暑いじゃん」
下は短パンをはいているが、上は着て居ない。

彫刻のような、筋肉が付いた逞しい身体に動揺してしまう。
「冷房ついてるだろ!いいからはやく!!」
「はいはい」

くそぅ、なんでだよ!コイツの身体なんて、見慣れているはずなのに。...体育のときの着替えとかで。



「なぁ、大体のことは小僧から聞いたけど、何でそんな薬飲んだんだ?」
「...」
声のトーンが低くなってる。
普段は温厚だが、一度キレたら手に負えないことを知ってるから、返事が出来ない。

「ツナが飲めっていったのか?」
「違う!十代目は止めた方がいいっておっしゃったんだ。でも...」

「小僧の遊びに付き合うのはいいけどさ、薬ってヤバイのもあるんだぞ!
万一のことがあったらどうするんだよ!」

ヤバイ。コイツ相当怒っている。
何も言えずに俯いていると、いきなり抱きしめられた。
「やまもっ...」
「獄寺が死んじまったら、俺どうしたら良いんだよ!」
震える声に今更ながら後悔した。

「...ごめん..」
小さな声でそう言って、山本の背中に手を回した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ