思いつくままの妄想小説

□ラビューvラビュー!
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メシ食って、片づけして。

大好きなナイター中継、しかも憧れの投手が投げているのに、ちっとも集中できない。

高まる緊張感を必死で押さえ込んで。
初めての時だって、平気だったのに。
格好悪いトコ見せたくなくて、必死で冷静を装う。


突然獄寺が「風呂入ってくる!」なんて言うから
俺の心拍数が急激に上がった。


態と軽口を叩いたけど、赤くなった顔は誤魔化せたんだろうか。
俺の方を見なかったから大丈夫だとは思うけど。


あの口振りではどうやら獄寺には経験が無いらしい。
外国の方が進んでると聞いてたし、あの外見では女も男もほっとかないと思ってた。
獄寺に触れるのが俺が最初だと思うと、とても嬉しかった。


「上がったぜ。お前も入れよ」
突然声を掛けられて、驚いてしまう。
気が付けばナイターも終わっていて。どっちが勝ったのかも分からない。
...獄寺が聞いてこなくて良かった。

俺の言ったとおりの服を着てくれていた。
相変わらずの綺麗な足。...俺って足フェチじゃないはずなんだけどな。

すれ違った拍子に香ってきた、石鹸の香に混じった獄寺の匂い。
煙草を吸っていないせいかいつもの苦い匂いはなく、どことなく甘い香。
思わず抱き寄せてしまって後悔する。
このまま押し倒したくなるのを必死に耐えた。


冷たいシャワーを浴びて、欲望を抑える。
習ったばかりの難しい方程式や、化学記号なんかを頭に浮かべても、煩悩は消えてくれない。

仕方なく、一度抜いておくことにした。
獄寺の肌を思い出すだけでゲンキになる自分自身が情けなくなる。



風呂から上がると、獄寺がキッチンにいて。
その後ろ姿がそのまま消えてしまうかと思うくらい儚げで、思わず後ろから抱きしめた。

驚いて、落としてしまったペットボトルを無視し、獄寺がココにいることを確認するように、強く。

迷っていたら誰かにかっさらわれてしまう。
そんな焦りから俺は獄寺を抱き上げた。
思わずといった感じに、首に巻き付いてくるその腕に感動して、そのままベッドまで運ぶことにした。

ぎゃーぎゃーとわめくその口を俺の唇で塞ぎながら。
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