思いつくままの妄想小説

□トリック・オア・トリート?
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「ハル、海外旅行って初めてですぅ!」
いつも以上のテンションではしゃいでいるのはアホ女とアホ牛。


乗っているのはお母様と十代目と山本と俺、ハルとランボ。後はディーノとロマーリオのオッサン。
笹川兄妹も誘ったんだが、パスポートを持っていなくて断念した。

リボーンさんと姉貴はすでに向こうに行っているらしい。
仮装と言うことだから姉貴には顔を隠して貰うということらしいが...



「凄い荷物だな。何持ってきたんだ?」
ハルの荷物を見て、感心したようにディーノが言った。
確かに着替えだけにしては(女ってコトを考えても)多すぎる。

「はい!仮装パーティーだって言うから張り切って持ってきたんですよ!」
「衣装はちゃんと用意してくれてあるってば」
「はひ?!そうだったんですか?」
「・・・まさか、生はげじゃないだろうな」
「え?ダメでした?だってハロウィンってお化けのカッコするんでしょ?」

思わず、十代目と一緒に溜息をついてしまった。
確かに基本はそうなんだろうが、少なくとも女がする仮装じゃないと思うんだが。


何も言わず、にこにこと笑っている山本に、昨日聞こうと思っていたことを思い出した。

「お前、何時ディーノに会ったんだよ」
「ん?昨日、部活終わって帰ろうとしたとき。目立つよな、あの車」


確かに赤いフェラーリは目立つことこの上ない。
アイツも日本にいるときは、も少し普通の車乗ってりゃいいのに。

いつぞやのイタリア旅行(俺が行かせたんだが)から妙に仲が良さげだ。
断じてヤキモチなんてものじゃないけど、少しだけイライラする。


「ん、なに?気になる?」
そんな俺の心を見透かしたのか、ニヤニヤと聞いてくるコイツに腹が立つ。
「・・・かなりな」
「え?!」


・・・最近気づいたこと。
俺が、少しばかり素直に返事してやると返って焦るらしい。
「ほら、着陸だってよ。席についてシートベルト締めろよな」

真っ赤な顔をしておたおたしているコイツに、優越感を感じながら俺も席にすわることにした。
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