思いつくままの妄想小説
□トリック・オア・トリート?
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「リボーンさんは一体俺を何だと思っているんだろう...」
あまりにも予想外の衣装に山本でさえ固まっている。
「・・・これ着てあのオッサン達の前に出るんだよな」
「・・・そういうことになるな」
2人して思わず溜息をついてしまう。
「とりあえず着てみろよ」
そう促されて、仕方なく衣装を手に取った。
「・・・どうだ?」
相変わらず、サイズは測ったようにピッタリで。
マスクを被っているお陰でメイクも必要ないだろう。
ルージュくらいはしたほうがいいんだろうか。
狼男の衣装に着替えようとしていた山本に声をかけた。
どさっ
なにかが落ちたような音に驚いて顔を上げると山本が持っていた着替えを落とした音で。
「おい、山本?」
声をかけたにもかかわらず山本は固まったまま動かない。
・・・そりゃ似合ってるとは思わないし、"似合っている"といわれても嬉しくない。
しかし、ココまであからさまに反応がないというのも、それはそれでショックだ。
鼻の奥がつんと痛んで目の前がにじんでくる。
「な、何だよ。俺だってこんな格好したくなんか...」
涙が溢れそうになって、慌てて目を擦って俯いた。