思いつくままの妄想小説

□学園ハニー
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「今日、一番運勢がいいのは牡牛座のアナタ。
 ラブ運絶好調!運命の出会いがあるかも!
 ラッキーポイントは野球のボール」


いつもの占いを聞いてから部活に行く。
今は女のコよりも野球に夢中な山本は、ラブ運が良いと言われてもピンとこないが運勢がいいのは嬉しい。
何かいいことが起きるような気がして、上機嫌で学校へ向かった。


夏休み真っ最中の今は、大会が近いこともあって部活三昧だ。
一日中野球が出来るというのは、自他共に認める野球馬鹿には至福の時。
とはいえ、野球部に所属している部員が全てそうかと言えば、そうではなく。
むしろ、野球も好きだけれども、やっぱりプライベートも大切にしたいというのが本音だろう。


「あーあ、まぁた彼女とのデートお預けかぁ」
「そのうちフラれんじゃねーのぉ?」
「縁起でもないことゆーなぁ!!」

ぎゃははと騒いでいる連中を見ながら、女の子とつきあうってそんな良いモンなのかと思ってしまった。
自惚れるわけではないが、女の子に不自由はしないと思う。
実際ファンクラブ等という物も存在し、告られたことなど数え切れないほどだ。
付き合ったことも無いわけではないが、長続きした試しもない。
それというのも山本が彼女よりも野球優先だからで、本人に言わせれば「仕方ない」のだそうだ。

とはいえ、山本とてお年頃である。
女の子にまるっきり興味が無いわけではなく、年相応にそういうものへの憧れもあったりするのだが。

「運命の出会いかぁ」
本当にそんなものがあるなら出会ってみたい。
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