思いつくままの妄想小説

□学園ハニー 3
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「お、落ち着いて、獄寺君」
「ごくでら君?」

女の子を呼ぶにしては少々不自然な呼び方に山本は首を傾げた。


未だ怒りが収まらないようだったが、沢田の手前もあり仕方なく引き下がることにした。


溜息をつくと、沢田が山本に対して聞くことにした。
「チカンって。山本、獄寺君に何したの?」
「なにって、別に。一階の窓から落ちそうになったのを支えようとしてな。
失敗して、俺が下敷きになったってだけだぜ?」
「胸触ったって」
「だから!たまたま、偶然、手が当たっただけで、態とじゃねぇって!」
「その後、てめぇ"Bカップか?"なんて聞きやがっただろうが!」
「獄寺君、君一応女の子なんだから」

窘めるように言うと小さな声で"すみません"と謝った。
「それから、山本も悪気はないのは分かってるケド、気を付けた方がいいと思うよ」

「あー、えっと、ゴメンな?」
「も、いい。沢田さんに免じて今回は水に流してやる」

少々不機嫌なままな彼女だが、ナントカ許してくれたらしい。

「俺からも聞いてイイ?」
「何だ?」
「何でツナ、"獄寺君"って呼んでんの?」

一瞬顔を見合わせたが、苦笑しながらも沢田が答えた。

「最初に紹介されたとき、男だと思ったんだよ。名前も"隼人"だしね。で、今更変えられないし」
「え?こんなに可愛いのに?」
さらっとそう言われ、獄寺の顔は再び真っ赤になった。

「山本って、そういう点でも天然だよね」

そう言う沢田の言葉は、妙に説得力があった。
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