思いつくままの妄想小説

□学園ハニー 4
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食べ終わり、たわいない話をしているうちに開店時間も迫ってきた。
準備を始めた父親に、邪魔しちゃ悪いと思ったのか獄寺も帰ろうと立ち上がる。


「あ、送ってくよ」
「いいよ。まだ明るいし」
「ダメダメ。女の子を一人で帰らせるなんて出来ないって」

そう言うと、何か言いたげだったが諦めたように溜息を付く。
そして父親の方を向くと
「ご馳走様でした。美味しかったです」
そう言って頭を下げる。

意外なほどの礼儀正しさにますます彼女に魅かれていってしまう。

「またいつでも来いよ。隼人ちゃんみたいな別嬪さんなら大歓迎だ」
「有り難うございます」
そういって嬉しそうに笑った。

笑顔を向けられる父親にまでジェラシーを感じてしまう自分が情けない。


「ほら、行こうぜ?」
ほっといたら何時までも彼女と話し込んでいそうな父親と引き離すように彼女を促した。





「ココまででイイよ」
そう言ったのはツナの家のすぐ近くだった。

「へぇ、獄寺んちとツナんちって近くだったのな」
「それほどじゃねぇけど、もうすぐだし」
「んじゃ、家まで送るって。最近物騒だしな」
「・・・お前の方が危なさそうだし」
「だから、そこは誤解だって!」


最初の出会いが悪かったせいか、どうしても山本の"チカン容疑"は、晴れないらしい。

しかし、上目遣いで睨んでくる彼女も可愛いなどと思ってしまう当たり重症かもしれない。


「ツナに聞いてみてくれよ。俺、そんなヤツじゃないから」
「まぁ、沢田さんの友人だから。多少は信じてやってもいいけどな」
「だろー?あ、何なら来週の日曜、試合あるから見に来てくれよ!」
「は?何で俺が?」
「ツナも来てくれるって言ってたし。一緒にさ」
「沢田さんが行くってんなら考えとく」

ツナをダシに使ったことは申し訳ないと思うが、この際、訳を話して協力して貰った方が得策だろう。
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