思いつくままの妄想小説

□学園ハニー 5
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そして日曜日。
雲1つない快晴に何か良いことが起きる予感がする。

獄寺との約束まで、後30分。
律儀な彼女のこと、おそらく10分前には来るだろう。


「おはよ。かあさん、弁当出来てる?」
「おはよ、ツッ君。見て見て!張り切って作っちゃったv」
嬉しそうに言う奈々の様子に、置かれている物をのぞき込んだ。
見れば3段の重箱にめいっぱいのご馳走。

「・・・多すぎない?」
「だぁいじょうぶよぉ。3人もいれば食べちゃうでしょ?」

いや、さすがにこれほどは。
そうは思ったものの、早起きして作ってくれたのだろう母親に文句を付けることは憚られた。


「あ、ありがと。2人とも喜ぶと思うよ」
「どういたしまして!こんな頼みならいつでも歓迎よ」

料理が得意で世話好きな母親に苦笑しつつ、自分の支度をすることにした。
作った弁当の残りを朝食にしていると、インターフォンがなった。


「おはようございます!」

思った通り、10分前に現れた彼女はいつも通りのジーンズにTシャツ。
薄手のカーディガンを羽織っているものの、どう見ても「女の子」な格好には見えない。


「ゴメンね、ちょっと待ってて。今、朝飯食ってるから」
ツナがそう言うと、
「すみません。早すぎましたか?」
「ううん。俺、ちょっと寝坊しちゃってさ」

獄寺が来たことに気づいた奈々が、嬉しそうに現れた。
「おはよう!隼人ちゃん。 あらあら、ヤッパリそんな格好で」
「え?何かおかしいですか?」
「せっかくのデートなんだから、もっとオシャレしなくっちゃ」

「え?!デ、デートって。沢田さん?」
「いや!俺とじゃなくって!!」

頭に?マークを飛ばしながら、奈々に引っ張られていく獄寺に
「早とちりな母親でゴメン」と謝りながらもどんなになるのか、ちょっぴり楽しみだった。
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