思いつくままの妄想小説
□学園ハニー 6
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2月に入れば、いろんな所でバレンタインのディスプレイがされている。
デパートの地下では所狭しとチョコレートが並び、女の子達はどれにしようかと楽しそうに選んでいる。
そして、獄寺もみづきに連れられてここに来ていた。
「もー!隼人ったら、何時までグズグズ悩んでんのさ!付き合ってるのならあげるべきでしょ!」
「べ、別に付き合ってるって訳じゃ・・・」
去年の秋頃から『友達として』つきあい始めた相手、
山本にチョコをあげるべきかで悩んでいるのだった。
「沢田さんにはあげるんでしょ?だったらあげなきゃ変じゃない?」
「でも、沢田さんとアイツとは全然違うんだし。
大体女が男にチョコをあげるなんておかしな習慣、日本だけだぜ?」
「しょーがないじゃん。ここ日本なんだから」
2月に入ってからと言うもの、毎日のように繰り返されてきた会話。
今日は、業を煮やしたみづきに強制的に連れてこられたのだ。
「もー!だったら、彼のお父さんには渡すんでしょーね!?」
「え?」
「え?じゃないわよ。お世話になってるんでしょ?時々遊びに行ってるわけだし」
「そ、そんなには行ってないけど・・・」
「行ってるんでしょ!!」
「・・・はい」
「だったら渡しなさい!!」
「わ・・・かった」
みづきの恐ろしくも強引なまでの勢いに押され、選んだチョコレート。
彼の父親へ1つ。
そして、甘いモノが苦手といっていた彼へと以前から目を付けていたもう1つ。