思いつくままの妄想小説2

□学園ハニー 7
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屋上で、愁いを帯びた瞳で外を眺めている美少女が一人。
酷く絵になるその風景に、あちこちから溜息が漏れているのだが、あいにく本人にはどうでもイイコトだ。



バレンタインにチョコを渡し、晴れて恋人となった相手がここの所何かと忙しいらしい。
寝る前には必ず電話をしてくれるし、メールも頻繁にくれるのは今まで通りだ。

しかし、以前なら休みの日には少しでも時間を作ってくれたのに、最近はさっぱりだ。

部活がそれほど忙しいのだろうか・・・
大きな大会など、今は無いはずなのだが。

彼の居る中学の方向を向いて、もう1度溜息をつく。



「ふーん。君でもそんな顔するんだ」

突然後ろから聞こえてきた声に、驚いて振り向くと珍しく笑みを浮かべた風紀委員長様。

「恭弥・・・」
「何?君に彼氏ができたんでしょ?もっと幸せそうな顔したら?」 
「なんで知ってんだよ!」
「この学園の生徒に関することなら大抵は耳に入ってくる。当然でしょ?」

・・・いや、普通入ってこねぇよ。
思わず突っ込みたかったが賢明にも飲み込んだ。


「で?上手くいっていないわけ?」
「そ、そんなんじゃねぇけど・・・」
「君をフるなんて、イイ度胸だね」
「ふられてねぇ!!」

思わず怒鳴ってしまった獄寺に、クスクスと笑っている。

「何しに来たんだよ。俺をからかいに来たのか?」
「それもあるけどね」
「あるのかよ!」
「君の彼氏のちょっとした噂を聞いてね。休みの日に商店街のあちこちで仕事手伝ってるって。
 おかげで勉強の方はかなりおろそかになってるらしいよ」


そんなこと聞いていない。
しかし、雲雀の情報はかなり信憑性がある。
バレンタインから一ヶ月。一体彼に何があったのだろうか・・・
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