思いつくままの妄想小説2

□恋の病の直し方
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ディーノに礼を言って、武を家に入れた。

何だか心ここにあらずと言った感じで、ぼーっとしている。
話しかけても、生返事しか帰ってこない。
仕方なく着替えさせて、ベッドルームへ連れていった。

「全く。さっさと寝ろ!ってわぁっ!」
いきなり抱きつかれて、バランスを崩してしまった。

「隼人、いー匂い。風呂入ったんだ」
「あ、当たり前だろ?」

今何時だと思っているんだか。
もう寝ようと思っていたんだから当然風呂にも入った後だ。

「ほら、いい加減離せって。もう遅いから寝ろ」
「あのね、隼人。俺、病気なんだって」
「えっ?!」
「ディーノさんが言ってた」
「びょ、病気って・・・」

最近、様子がおかしかったのって、そのためだったんだろうか?
まさか、コイツが病気だなんて一体何の・・・?

「武、明日病院行こうな」
「ダメだよ。隼人にしか直せないって言ってたもの」
「無理言うな、俺は獣医じゃないし。そりゃ多少の知識はあるかもしれないけど」
「隼人。俺の病気、直してくれる?」

思い詰めたような、真剣な目をして聞いてくる。
何か、悪い病気なのだろうか?
コイツを失うなんて・・・考えたくもない。


「あぁ、もちろん。俺に出来ることなら」
そう言ってやると、嬉しそうに微笑んだ。
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