思いつくままの妄想小説2
□学園ハニー 8
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「そーいや、腹へらねぇ?」
バッテリーを組んでいる牧野が言い出した。
体型が体型だけに普段からも食べる量が半端じゃない。
「そーいやそうだな」
「何か食べてくか?」
育ち盛り、食べ盛りの男子中学生。
試合後であるということを差し引いてもそろそろ身体が栄養補給を訴える。
「あ、じゃぁさ。駅前のドーナツ屋いかねぇ?」
「ドーナツ?だったらまだハンバーガーの方が」
「ラーメン屋とかのほうがよくね?」
疲れた身体には甘い物と言うが、それよりも腹の溜まる物の方を選ぶのが普通だろう。
「実はさ、そこすっげぇ可愛い店員さんいるんだって。こないだ兄貴に聞いて行ってみたくてさ」
さすがに男一人で行くのには勇気がいるし、と苦笑している。
「なんだ女目当てかよ」
「祐司もスキだよなー!」
ぎゃはは、とみんなで囃し立てる。
「そーいうなよ!最近入った高校生のバイトの子らしいんだけどさ。
俺の兄貴結構辛口なんだけど、その兄貴がベタ褒めだったんだぜ?」
確かに彼の兄がかなりの面食いであることは皆も知っている。
「いや、でもさ」
「武に拒否権はねぇからな!そりゃ、あんな可愛い子が彼女なら他の女に目はいかねぇだろうけど」
「あ・・はは」
ビシっと言う効果音が聞こえてきそうな程に指差され、笑って誤魔化す。
他のメンバーに目で助けを求めたが、なんだかんだいっても異性に興味津々のお年頃。
いきなり話が盛り上がり、少々距離があるそこの店に行くコトとなった。