思いつくままの妄想小説2

□He is my Hero
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そして、いい加減俺のイライラもピークに達しようとしていた頃、その事件は起きた。


買い物に行こうと、近くの空き地を通り過ぎようとしていたときだった。
ゾクリとした気配を感じ、咄嗟に身を屈めると何かが壁に当たり跳ね返った。
辺りを警戒しながらそれを見ると野球のボールくらいの石。
こんなモンがまともに当たったら大怪我だろう。

「誰だっ?」
「避けんじゃないわよ!このブス!!」

壁を背にして怒鳴りつけると、7.8人の女達が出てきて俺を取り囲んだ。
見覚えのない奴ら。ここのところの嫌な視線はコイツらだろう。

「何の用だ?」
「武と別れなさいよ」
「はァ?」

目的が分からない以上、コッチも出ようがない。
コイツらだけなら何とでもなるが、バックに誰かいるのかもしれない。
そう思って探りを入れようとしたら、思いも寄らないことを言われ、気が殺がれてしまった。

「アンタなんか、武とは不釣り合いなんだから!」
「何よ!お嬢様だと思って気取りやがって!!」
「援交やってるくせに!」
「エンコー?」

他にも色々と罵られていたが、言っている言葉がよく分からない上に一斉に喋られて、理解できたのはこれだけ。


「バックレてんじゃないわよ!ちゃーんと証拠が有るんだから!!」
「いったい何人とヤッてんの?このインラン!」

突きつけられたのは、俺といろんなヤツとの2ショットの写真。
ディーノやシャマル。ランボやロマーリオ。
沢田さんとの写真もあった。

おいおい、これ恭弥じゃん。バジルや骸まであるし。
・・・ってか何で武の叔父さんや家光さんまであるんだ?
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