思いつくままの妄想小説

□君が分かってくれるから
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本日、快晴。
雲一つない青空。
爽やかな風の吹く、当に絶好の行楽日和。

といいたいところだが。
大会の近いこの時期、運動部は大抵、ばっちりとスケジュールが詰まっている。
もちろん野球部も例外ではなく、今日の予定は他校との練習試合だ。


とはいえ、今日は恋人と親友が見に来てくれることになっていた。
良いところを見せたいと気力は充分に漲っている。
しかし


「・・・ヤバイな」
気合いとは裏腹にどうも身体がついてこない。
朝から妙に怠いような気がする。
滅多に経験することのないこの感覚は・・・


ここのところ、少々スランプ気味で自主練を増やしていた。
そのため、無理をしすぎて疲れを溜めてしまったのかもしれない。


山本は、いつもより言うことを聞かない己の身体を叱咤しながら学校に向かう。

以前にもこんな事があった。
それでも、試合が始まれば何とかなった。
誰にも気付かれずに、試合も終わらせた。

だから今回も・・・そう思っていた。
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