思いつくままの妄想小説2

□スペース・エンジェル
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マンションに着き、未だ意識の戻らないその子を抱き上げて部屋に入る。

抱き上げた感触でどうやら少年らしいということが分かった。
そっとベッドに横たえて、改めて様子をうかがうと、彼方此方に血が滲んでいる。


・・・しっかし、綺麗な顔してるなぁ。
そのまま見つめていると、

「・・・・ぅ・・・ん」

小さく声が上がり、うっすらと目が開いた。


ドクンッ


目があった瞬間、俺の中で何かが弾けたような気がした。

綺麗な翡翠の瞳。
その瞳が焦点があっていくに従って、彼の表情が険しくなる。


「てめぇっ!何・・っ」
「あー、ほらほら動くなって」

痛みに呻く彼に慌てて声を掛けた。
まだ怪我の手当もしていない。
まぁ、見た限りでは命に関わるような大きなモノはなさそうだけれど。

毛を逆立てて威嚇してくる、まるで猫のようなこの少年に苦笑する。


「落ち着けって。別に何もしねぇから」
「・・・そう言う奴に限って怪しいモンだろうが」

なかなか冷静なツッコミだな。

「んー・・今のトコ、相手にも金にも不自由してる訳じゃねぇし。
無理矢理ってのも好きじゃねぇから」


住んでいるマンションは高級といわれる部類に入るだろう。
男の一人暮らしにしては片づけられている部屋を見て一応納得してくれたらしい。

更に口を開こうとした瞬間、きゅるる〜と音が鳴った。
何の音かは一目瞭然。
思わず吹きだしてしまった俺に、恥ずかしいのか不機嫌そうに睨み付けてくる。

「腹減ってるのか?俺も夕飯まだなんだけど一緒にどうだ?」

そう言うと、少し顔を赤らめてコクンと頷いた。
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