思いつくままの妄想小説2
□そして僕は途方にくれる
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ちょっとしたハプニングはあったけど、コーチの見舞いも無事済んだ。
足の骨を折ったらしく、暫く入院とのことだった。
・・・すッげぇ元気で、退屈しきってたけど。
そして金曜日。
朝練のために早めに学校へ向かった。
明後日はようやく隼人とデート。
メールや電話はしてるケド、全く会っていない。
そろそろ隼人不足になりかけている。
切れる前に補給して貰わないと。
寂しい思いをさせてしまった自覚はある。
けれど、そんなときの隼人は結構甘えんぼになったりしてすっげぇ可愛いんだ。
・・・にやけてる俺って、端から見たらかなり危ない人?
そんなことを考えながら歩いていたときだった。
「山本ー!!」
パタパタと走ってきたマネージャーに声を掛けられた。
「よぉ、はよっ!相変わらず元気だな」
「へっへー!じゃーんっ!!」
効果音付きで取り出されたのは、プロ選抜チームと某メジャーリーグの親善試合のチケット。
俺も行きたくて頑張ったものの、結局手に入らなかった代物だ。
「ええ?!マジ本物?!」
「当たり前でしょ?パパの知り合いの人に貰ったんだ。
ホントは息子さんと行くつもりだったけど、病気で入院しちゃって行けなくなったからって」
「いーなぁ・・・俺も行きたい」
「でしょ?だから一緒に行かない?」
正直願ってもない一言。