思いつくままの妄想小説2

□やっぱり君が好きっ!
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「ここで何をしているの?」

不意にかけられた声に心臓が飛び出るかと思った。


「ひ、雲雀?」
冷たい目でじっと見られ、思わずごくりと唾を飲み込む。

「え・・と。隼人いつ帰ってくるか知ってるかな・・・?」
ひょっとして雲雀なら・・そう思って聞いた途端、ゾクリとしたものを感じた。

咄嗟に飛び退くと、その手には雲雀愛用のトンファーが。


「答えになってないでしょ?僕の質問に答えて」
「・・・隼人におみやげ買ってきたんだ。それで」

俺の言葉は、雲雀の怒りを一層深くしたらしい。
殺気がますます大きくなる。


「君って信じられないくらい無神経なんだね」
「え?」
「信じていた男に裏切られて。
その上、他の女と行った先の土産物なんて、貰って嬉しいと本気で思ってるの?」
「っ!」

・・・確かに雲雀の言うとおりかもしれない。


「で、でも!俺ホントにっ!?ぅぐっ!」

浮気なんかしていない、誤解だと言おうとした瞬間、俺の身体は吹っ飛んでいた。
あまりの激痛に声も出ない。


「僕が以前言ったこと忘れたの?」
「・・な・・・にを・・?」
「隼人を傷つけたら咬み殺すって言ったでしょ。
君のこと忘れてあげるから二度と隼人の前に姿を表さないで。これ以上あの子を苦しめたら承知しない」
「まっ・・・っ!」


雲雀のトンファーをまともに食らった俺は立つことすら出来ず。
痛みに蹲る俺に一瞥をくれてそのまま遠ざかる後ろ姿に、為す術もなかった。
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