思いつくままの妄想小説2
□やっぱり君が好きっ!
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そして、大会当日。
学校に集まり、市営球場まで。
シード校でもある俺達の試合まではまだ時間があった。
先発投手は外されたが、ライトとしてスタメンには入れて貰っていた。
打順は6番。
・・今の俺の状態でまともな活躍が出来るとは思えないだろうに。
試合が始まれば・・そう思っていたのに、俺の身体は動いてはくれなかった。
当然、皆の士気も上がるはずが無く。
試合は終盤に差し掛かった7回。
後攻である俺達の守りが終わって、3−0。
優勝候補であるはずの俺達が、1回戦で遙か格下の相手に負けていた。
この回は、俺にも打順が回ってくる。
しかし、俺自身も未だノーヒット。
大したピッチャーじゃないのに、まるで嘲笑うかのようにボールはバットを避けていくのだ。
隼人が帰ってきたとき、優勝旗を見せてやりたい。
そうすれば少しは見直して貰えるかもしれないのに。
唇をかみしめて、ネクストバッターズサークルに向かう途中
「・・・何やってんだ?お前」
不意に聞こえた、呆れたような隼人の声。
とうとう幻聴まで聞こえるようになったか?
そう思って顔を上げると、逢いたくてたまらなかった愛しい人物がそこにいた。