Vampire Knight
□キミの一面
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「名前センパイの弱点ってなんだろ…?」
全てはこの一言から始まった。
ある日の月の寮…
この日は休日という事もあり、ナイトクラスの主要メンバーが談話室に集まっていた。
その中には普段、仕事で多忙な支葵千里・遠矢莉磨の姿もある。
今この場にいないのは…普段人とあまり交流を持とうとしない星煉、その有能ぶりから常々枢の仕事の補佐をしている名前、そして枢本人だけである。
その事もあってか、話題は次第に今この場にいない名前の事になっていった。
もともと幼馴染として交流のあった自分達とは違い、名前はこの黒主学園で出会ったため、付き合いも浅い。
それに加えて名前本人も自分の事を話す事はほとんどといっていいほどなく、それがあの柔らかな物腰と相まって、まだまだミステリアスな存在である。
だからこそ、自分の見た名前について各々が話していたわけだが…
ここで冒頭に戻る。
発言したのはどんな時でも自分のペースを決して崩す事はないマイペース少年・支葵千里。
「名前センパイの弱点てなんだろ…?」
この発言に一同は水を打ったように静まる。
苗字名前…
どんな事でも簡単にこなす姿に相応しい表現は「完全無欠」しか当てはまらないだろう。
そんな彼に弱点などあるのだろうか……