今日は晴天なり
□恩を仇で返された
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現在私は森の中にいま〜す。
別に迷子じゃありませんよ!そう度々迷うほど方向音痴じゃないですから!!
今日は森に薬草を取りに来たんですが、うっかり苔に足をとられて川に落ちちゃったんです。
幸い深くは無かったので溺れずにすんだんですが…(金槌なんです;)
「……足が痛い」
転び方が悪かったんですね、足を捻っちゃいました…
おー、どんどん腫れていく。師匠が言ってた通りだ…
「って感心している場合じゃないし…これじゃあ帰れませんね……」
そう言った式の視線の先には崖があった。
崖と言ってもそれほど高いものではなく、せいぜい式の身長の三倍ほどのものだが…
「足を使わずに登るのは流石に無理でしょうね…あ〜、どうしよう。今日は風魔さんと約束があるのにー」
あっ、風魔さんというのは私のお友達です。
最初は妖怪だと思ったんですけど違うらしいんですよ。
混沌混沌煩いし、顔色がかなり悪いんですが、犬が好きで家に来るときはいつもお土産を持ってきてくれる良い人なんです。
その風魔さんが今日家に来ると言っていたので早く帰らなきゃいけないのに……
「誰か居ませんか〜、助けてー!!」
思いきって大声を出してみた式だったが、人はおろか動物の気配すら感じることはできない。
「うぅぅ、まさかの遭難第二段……」
早く帰るつもりだったから食べ物なんにも持ってきてないし…動けないし…
あれッ、もしかして前回よりヤバイ?
どどど、どうしよう!(風魔さんには悪いけど)約束どころじゃないですよこの状況!!