今日は晴天なり
□飲みすぎ注意
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「なんで家にはサンタクロースがこないんですかねぇ?」
「さんたくろおす?」
畳に寝ころび本を読みながらボソリと呟くと、何処からともなく聞こえてきたいつもの声。
「いるならいるって言ってください…お化けですかあなたは……」
「ククク…」
半分呆れながらそう言うと、風魔さんが風と共に現れた。
紙が飛ぶからその登場のしかたやめてって言ったのに…
「そのさんたとやらは何者だ?」
「ん〜っとですね。簡単に言うと子供に贈り物をする赤装束のおじいさんです。トナカイっていう鹿みたいな動物が引く車みたいなもので夜に空を飛んで来るらしいんですけど…私のところには来てくれないんですよ」
「ふむ、そのような者がいるのか…」
腕組みをして何やら考えている。
「よもや何処ぞの忍ではあるまいな…」
「違いますよ;南蛮の伝説みたいなものですからきっとこの国にはいないんです。はッ!まさか…」
「なんだ?」
「まさか…風魔さんはサンタクロース?」
「…式、頭は大丈夫か?」
なんか可哀想な人を見るような視線を私に送る。
「だって風魔さん全体的に赤いじゃないですか!なんかください!!」
「人違いだ。それに我より赤い装束の者はいる」
「ええ〜、そんな人いるんですか?…う〜ん、風魔さんがサンタクロースじゃないなら今年も何も貰えない……」
シュンと落ち込んでいると
「それ以前にうぬは童ではないだろう」
追い打ちかけられました。
「ひ、ひどい!そりゃそうですけど…夢くらい見たっていいじゃないですか!!」
うわーん!風魔さんの馬鹿ー!!
悲しみと八つ当たりを込めて風魔さんの腹をぶん殴る。
「がふッ!」
「あーあ、つまんない!」
「ほ、ほかに言うことはないのか…」
腹を押さえながら膝を折った風魔さんが私を睨む。
「あッ、そうだ!今夜パーティーやりましょう!クリスマスパーティー!!」
「…謝る気はないのか?」
「え?なにを?」
「……もういい」
何故か拗ねて部屋の隅で座り込んでいる風魔さんはほっといて、料理はどうしようかと考える。
私料理できないんですよね〜
よく作ってくれる風魔さんはなんか臍を曲げてるし…
ここは機嫌を取らないと…
「風魔さ〜ん」
「………」
無言です。こっちを見すらしない。
「今日の夕餉、一緒に食べませんか?」
「………」
おッ、チラッとこっちを見た。もう一息!
「伝説と言われたお酒“風車”があるんですが…」
「……買出しに行くぞ」
「はーい!」
立ち上がり玄関に向かう風魔さんの後ろをニヤニヤ笑いながらついていった。