今日は晴天なり
□できれば…
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「で、できた……」
思ったより時間が掛ったけどなんとか完成しました。うう、東の空が少し明るい……。
あとは包むだけで出来上がり!よろこんでくれますかね?
*****
「今日って何の日か知ってますか?」
「ばれんたいんだろう」
相変わらず突然現れた風魔さんにそう聞くと予想外にも知っていた。こういう行事には興味なさそうなのに。
「知ってるんですか!?以外ですね〜」
「甲斐が騒いでいたからだ」
「なるほど〜、それなら話が速いです。はい!私から風魔さんにチョコです!」
綺麗に包んだ包みを風魔さんに渡すと、少し驚いたように私と包みを見る。
「……我にか?」
「はい!お世話になってるんで」
「………そっちか」
何故かちょっとだけ落ち込んでる風魔さんが受け取ってくれた包みとは別の市販の包みを開き、モリモリとチョコを食べる。
普通のお菓子も良いですが、偶には南蛮のお菓子も良いですね。このちょっとベタベタした甘さが癖になります。
「式……これはうぬの…?」
「手作りチョコですよ」
「…………これはチョコなのか?」
「まあ、手作りなのでちょーっと色が変ですが……」
「…銀色のチョコが存在すると初めて知った」
「溶かして色々混ぜたら何故かこうなったんです」
「一体何を混ぜた?」
「えーっと、牛乳と蜂蜜と黄粉…あと隠し味にクサヤを少々」
「クサヤ!?道理でほんのり生臭いと…」
「その他アクセントに様々な薬品を入れたりしました」
「入れるな!」
顔を顰めてチョコを見つめる風魔さんは何時まで待ってもそれを食べてくません。
「……食べてくれないんですか?」
「以前うぬの入れた茶を飲んで死にかけた故身体が拒否している」
「今回は大丈夫です!心の臓が止まっても良いように師匠に対処法を教わりました。あとこれ解毒剤です」
「死ぬこと前提にこれを我に喰えと?」
「これはあくまで最悪の結果を想定した場合のことですよ〜。あ、でも私の作った物を食べて身体に異常が出なくなったら、毒を飲んでも平気になるらしいですよ?師匠なんて河豚の内臓食べても平気ですし…。忍の風魔さんにとっては得じゃないですか!」
「今の話で恐ろしさが際立った」
気のせいかいつも以上に顔色が悪くなった風魔さんに少し落ち込む。
「明け方まで頑張って作ったのに……」
「ッ……」
究極の選択
喰えば死ぬ
喰わねば式が泣く(かもしれない)
無理なら良いです……
く、喰うから落ち込むな;
ガキンッ
……硬くて歯が立たぬ
ええ!?そんな馬鹿な…
うわ、ホントに硬い;金槌と鑿で叩いても傷すら付きませんねぇ
う〜ん、来年からはとろろでも混ぜますか
(できれば次からは市販のにして欲しい)