今日は晴天なり

□食べ物求めて三千里
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「おっなかすいた〜っと。今日のご飯は何を食べに行きましょうか〜、ってお金が無い!」


普段お金を入れている棚やお財布を逆さにしてぶんぶん振っても何も出てこない。
仕方ない、今日はご飯を焦がさないように作って……


「…どうしよう。食べ物も無い……」


台所が空っぽ!我が家の財政がついに破綻してしまいましたよ!


「何故こんなことに…!この前壊れた薬品作りの道具を多めに買ったせいですかね?うん、絶対それだ…;」


うわ〜ん!助けて師匠〜とは思うんですが、師匠は金銭の貸し借りはしないので頼っても突っぱねられる…というか説教されるし…風魔さん此処のところお仕事なのか来ないし……


「かー君助けてー!!」

「Σわう!?」


庭に飛び出てボーとしているかー君をぎゅーっと抱きしめる。


「もう頼りになるのはかー君しかいません!食べ物のありか知りませんか?このままでは私だけではなくかー君も餓死しちゃいますよー;!」

「わふ、わん!」


およよよと涙を流しているとかー君が私の腕から抜け出し、門まで駆けていったかと思うと尻尾を振りながら私の方を振り返った。


「もしかして食べ物があるところに案内してくれるんですか?」

「わん!」

「やっぱりかー君が一番頼りになりますね。というか私不甲斐無さすぎる…」


うう、情けない。
兎に角今はご飯の事を考えましょう。はたして鬼が出るか蛇が出るか!?
いざ、ご飯探しの旅へしゅっぱーつ!!



*****



「かーくーん、いつまで歩くんですか〜?もうすぐ日が暮れちゃいますよ〜;」

「わふッ」


かー君と家を出発したのは昼前、現在は夕暮れ。
ずーっと山道を歩き、そのまま獣道に入って行ったので山菜がたくさんある場所にでも案内してくれるのかな?と思って今まで跡を追ってきましたが、かー君が足を止める様子はなく、どんどん山の深くに入っていきます。
なんか風魔さんと初めて会った時の事思い出します。
あのときは驚いたな〜とクスクス笑いながら山の中を歩く。

しっかしこんな山奥に来るとは思いませんでしたよ;袴で来て良かったけどお気に入りの鬼灯の羽織が汚れちゃうかも…髪は後ろで太い一本の三つ編みにして横は垂らしているけど、これも後ろで纏めれば良かった……正直邪魔。


「かーくーん、お腹空きましたよ〜;こんな所に食べ物あるんですか〜?」


振り向くことなくすたすたと前を歩くかー君。


「………かー君って食べたらおいしいかな…」

「Σぎゃう」

「冗談ですよ;そんな逃げなくても…」


ビクリと身体を震わせ私との距離を広げるかー君に苦笑を漏らす。
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