今日は晴天なり

□手荒れ
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指が痛い…
ここのところ手荒れが酷く、でもめんどいからいっか〜とか何もしないで放置していたら、人差し指がパックリと切れてしまった。

傷口からタラーッと垂れる血を見ながらいい加減薬塗らないとヤバいなと思い、応急処置として指を口に咥え血を嘗めながら薬箱を漁る。


「うえ、鉄の味が〜、とりあえず軟膏塗るか…」


薬箱に入っていた布で指を包み、軟膏の入った容器を開けるとなんと中身が空っぽ。


「なんと!?万能薬と名高い“尾呂奈印”を切らすとはなんたる不覚!!」


どうしよう!これ化膿とかしたら治るまで刀持てないじゃん!!
指化膿して刀持てないんで休みま〜す。とか頭領に言ったらどうなることやら…

……(想像中)……
…あ、今血塗れになった…


「こここ殺される;!薬屋ーーって今日は定休日だっけ!?」


あああ、どうしよう!早くしないと背中から闇牙黄泉津がにょっきり生えてしまうーー!!

そうだッ、たしか頭領の部屋にも薬箱があるはず。
それをこっそり拝借しちゃえばいいんだ!
たしか頭領今日非番だけど朝から何処かに出かけてるし、行くなら今しかない!


善は急げということで早速廊下を進み、頭領の部屋の襖を開ける。


「相変わらず綺麗な部屋だなぁ。床に何も置いてないし…私の部屋なんて本やら武器やら着物やらが散らかってるのに……」


女としてそれで良いのか!?それで良いよね!!
そんなことより薬箱は何処?

まずは棚の中。


「ここかな?えーっと………無いな。本ばっかりだ」


そういや頭領よく本読んでるけど何読んでるんだろう?まあ、どうせ兵法とかだろうけど…


「何何『椿の宵』……これって今流行りの恋愛本じゃん。ドロッドロの愛憎劇の…」


こういうの好きなの!?他のもそんなんばっかりだし!うわ〜意外〜
これ読みたかったし借りちゃおうかな〜、とりあえず懐に入れとこう。

ん?本の後ろの板が動く!?
隠し棚か!何入ってんだろう?
ま、まさか頭領も同僚のアホ達みたいに教育上よろしくない本持っていて、それを隠してるとか!?

どどどどうする!?開ける?開けない?
頭領も男なんだしそういう本の一冊や二冊持ってても不思議じゃないし、ちょっとどういう趣味してんのか気になる。けど、見たのバレたら忘れるまで殴られそうで怖い;

でもやっぱり気になる!

…てなことで本能に忠実な私は開けてみようと思いまーす☆


「それでは張り切って、御開ちょ「おい」


あれ?なんか聞きたくない声が聞こえたような……以前にもこんなことがあった気がするんだけど。
………既視感かな?
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