今日は晴天なり
□テスト(前)戦争
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テスト一週間前。
食堂をキョロキョロと見渡しながら進むとターゲット発見。
「やあ、半蔵。此処良い?」
相手の返事を聞く前に向かいの席に座って昼食を食べる。
「…何用」
「会って一言目がそれ?ただ友達とご飯食べようと思っただけじゃーん」
半蔵が鋭い視線を向けてくるが私は素知らぬ顔でカレーを食べる。
この程度の事で一々ビビってたら半蔵と友達なんてやってらんないよ。
「…何を企んでいる?」
「失礼だなぁ、そんなことないって。あ、プリン買ったんだけど一つ食べる」
「…ああ」
校内にある売店で買ったプリンを差し出すと今まで突き刺さってきた眼光を緩め、プリンを受け取ると食べ始めた。
それを見てニヤリと笑う。
「実はさぁ、お願いがあるんだけど…」
「……なんだ」
「ノート貸してvV」
「………嫌だ」
スプーンを口に咥えたまま再び眼光を強め、眉間に皺を寄せた。
「おいおい半蔵君。何が『………嫌だ』だよ。お前に拒否権は無い!!」
「…何故?」
「プリン喰っただろうが!」
「…………」
「押し返すな!もうほとんど残ってないし!!」
「……不覚」
「前から思ってたんだけど半蔵って話し方古臭いよね」
「…煩い」
カレーを完食し、半蔵に手を差し出すがノートを渡す様子無し。
「プリン食べといて渡さない気か。この人でなし!」
「去年ノートを貸したきり返さなかったお前に言われたくない」
「悪いけど私は今を生きる主義なんでそんな昔のことは覚えてませーん」
半蔵の手の中でスプーンがぐにゃりと曲がった。
「うっわ、馬鹿力。それ弁償だね」
「…お前のせいだ」
「責任転嫁格好悪い!さあ、ごちゃごちゃ言ってないでノートを渡しなさい」
「……一週間プリンを持ってこい」
「仕方ない、それで手を打ってやるか」
「何様だ」
「式様だ!」
「……ウザい」
「珍しく古臭くない話し方したと思ったらそれか!?」
ギャーギャー騒いでるとノートを私に渡すと、半蔵は私が食べ終えたトレーを持って立ち上がり返却口へ向かった。
ノートをカバンに入れると私もそれを追いかける。
テスト前の喧騒
お、さり気なく紳士
ちょっと半蔵の株上がったわ
………くだらん
まあ、現在26ポイントだから100目指して頑張ってくれたまえ
…何故それほど低い?
さっき貸すの渋ったから
…………その程度で
まあまあ、100ポイント貯まったら一緒に飲みに行こうよ
もちろん割り勘で
それではポイントを貯める意味が無い
えーッ
じゃあデートでも行く?
……悪くない
おお、つっこまれると思ったのに意外にも乗り気だ
…滅