只今曇天につき

□その死神、憤慨
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目が覚めると白い天井と消毒液の匂い。

セバスちゃんにボコボコにされてウィルに助けられて…とういか止めを刺されて気絶していたらしい。

久しぶりの医療課。

顔に触れるとガーゼが何枚も貼られている。
ということはもう治療は終わってしまったようだ。

ウィルが言っていたようにこれから始末書と報告書を書かされ、おそらく暫くは謹慎処分になるだろう。

身体をベットから起こして病室の外に出る。


謹慎なんかになったら暫く会えないだろうし…
休暇に連絡しても会ってくれないんだから、謹慎中にストーカーにごとく電話を掛けても出てくれすらしない可能性があるから今の内に。


そんな事を考えながら気だるい身体を引き摺ってネムのオフィスまで行き、扉を開く。



「ドークターッ!」

「…入室時にはノックをするのが常識ですよ。グレル・サトクリフ」

「どーも、お久しぶりですサトクリフ先輩」

「ウィル!?なんで此処に…ついでにロナルドも」



ついでってなんスかとブツブツ煩いロナルドを無視してドクターのデスクに目をやるが無人。



「勝手に出歩かないでください。まだあなたの処分は決まっていませんよ」

「それはわかってるけど…ドクターは?」

「今何か呼び出し喰らってる見たいッスよ。つーか今日のドクターすっげぇ機嫌悪いらしいから会わないほうがいいんじゃ…」

「ネムが?ッ…もしかしてアタシを心配し過ぎて…!」

「いやそれはないっしょ」

「うっさいワネ!」



壁際にある椅子を引き摺ってロナルドの隣に座ると、アタシがいなかった間に大量のアタシが処理するはずだったリストを回されたと文句を言われた。



「しかも先輩これから謹慎でしょ?これヘタすりゃ謹慎解けるまでずっと残業コースじゃないッスか!」

「あー、はいはい。悪いワネ」

「ぜってぇ悪いと思ってねぇ…」



そんなやり取りをしていると扉が開く音。
振り向いたら久しぶりに見るネムの姿。隣にユリウスが居るのが気に喰わないワ。
今すぐ抱きつこうと椅子から腰を浮かせかけたがネムの顔を見て固まった。



「お待たせスピアーズ君。書類はこれで良いかな?」

「はい」

「ノックス君はどうしたの?」

「え、いや、急ぎじゃないんであとで良いッス」

「そう…で、サトクリフ君は何故此処に?」

「えッ、あ、あの、アタシは…」



鋭く光る瞳に射られ、冷や汗が背を伝う。



「アウティオ君、サトクリフ君を病室へ…」

「はい」

「ちょッ、ネム!」

「自分は忙しいんだよ。大した用がないなら出てって」



ニッコリと笑みを浮かべるネムに本気で恐怖した。
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