只今曇天につき
□その死神、哀愁
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嗚呼、どうして……
暗い森の中、たった一人立ち尽くす
体温を奪う雨
噎せる様な鉄の匂い
地に広がる肉片は人か悪魔か死神か…
目に入ったのは破壊されたデスサイズと倒れた黒服
これは誰だったろうか……?
…見覚えがある
あれは自分の部下の――
右の額から流れる血はまるで涙のように右目を伝い流れてゆく
自分の手には赤く染まり刃がボロボロに朽ちたデスサイズ
服と髪に染み込んだ血は己のものか散らばった者達のものか…
赤 あか 紅 アカ 緋
何故こうなった……?
否、知っている
全て自分が――
俯くと白かったはずの髪から真っ赤な雫が落ちた