只今曇天につき

□その死神、哀愁
1ページ/4ページ



嗚呼、どうして……




暗い森の中、たった一人立ち尽くす


体温を奪う雨


噎せる様な鉄の匂い


地に広がる肉片は人か悪魔か死神か…



目に入ったのは破壊されたデスサイズと倒れた黒服


これは誰だったろうか……?


…見覚えがある


あれは自分の部下の――







右の額から流れる血はまるで涙のように右目を伝い流れてゆく







自分の手には赤く染まり刃がボロボロに朽ちたデスサイズ


服と髪に染み込んだ血は己のものか散らばった者達のものか…



赤 あか 紅 アカ 緋



何故こうなった……?





否、知っている


全て自分が――












俯くと白かったはずの髪から真っ赤な雫が落ちた
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ