昨今の積雪など

□猫と鯨、なかよしこよし
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ピピピピピ――

バギャッ


睡眠を妨害する悪魔を叩きつぶし、再び布団を被る。


ピルルルル――

ピッ



「………誰……チッ…」

『俺だよ。おはよう青猫ちゃん、舌打ちしないで起きて』

「オレオレ詐欺は死ね……」

『違うって!俺だよ、鎌足!青猫ちゃんの大好きな有能上司の!!」

「…アホ上司死ね…」

『酷ッ!寝ぼけてるからって言って良いことと悪いことがあるよ!?早く起きなさい!今日は〈令嬢〉からの依頼が来てるんだから…』

「チッ、わかった起きる…」

『だから舌打ちはやめ』ピッ―



煩い電話を切って布団を蹴り飛ばし着替えてリビングに向かう。



「う〜…」

「早いな」

「…………あ、ああ、鯨さんおはよ…」

「ああ」



テーブルでYシャツ姿の鯨さんが朝食を食べていた。


誰かと思った…
鯨さんがうちに来てまだ一週間だもんな〜
慣れてないってわけじゃないけど、寝起きだと一瞬焦る。


ふらふらしながら鯨さんの向かいに座って新聞を読みながらパンを食べる。



「今日仕事だから遅くなるかも。鯨さんは?」

「俺も依頼が来ている」

「じゃあ夕飯は各自でってことで…」

「わかった」



低血圧なのか眠そうな目でモサモサとサラダを咀嚼中の鯨さんより早く食べ終え自室に戻り、クローゼットのパーカーコレクションから鼠パーカーを取り出す。

リビングを覗いて未だにパンを食べている鯨さんにいってきますと言って家を出た。



*****



……疲れた…!

なんか〈令嬢〉の着物おねえさんに掃除ガン見されたし、そのあとに五件も依頼入りやがったし……

精神的にも肉体的にもヘロヘロだ。


はっはっは、今日も帰りは丑三つ時だよ。
アホ上司め、丑の刻参りしてやろうか!?

それにしてもお腹空いた…
今日もカップ麺だな。
いい加減飽きたよ。



「ただいま〜」



こんな時間だし、もし帰ってたとしても鯨さんは就寝中かもしれないので声を押さえてリビングのドアを開く。



「青猫」

「あ、鯨さんただいま。まだ寝てなかったの?」



紺のパジャマ姿の鯨さんがソファーに座っていたので驚いた。



「今寝るところだ」

「そっか、おやすみ」

「ああ。それは好きにしていい」

「へ?」



謎の言葉を残して部屋から出ていった鯨さんに首を傾げ、カップ麺を食べるためキッチンに向かうとご飯が置かれていた。



「……滅茶苦茶嬉しいかも…」




さり気ない優しさが目に沁みる!



鯨さんカッコイイ!男前〜!!

なんだ突然…

さり気なくあんなことが出来るなんて…さてはモテるな!?

あんなこと?俺が何かしたか?

て、天然だと…!


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