黒子のバスケ
□男子高校生なんてそんなもん。
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「ちわー」
『やぁんっ!やっあ、ひ…、ゆるし…って…ぇっひぁああっ』
部室に足を踏み入れた瞬間、男なら一度はお世話になったことがあるだろうビデオの音声と部室の奥に設置されたDVDプレーヤーの前に陣取る部員たちが黄瀬を迎えた。
「?!!?はっ!??」
「おっ、黄瀬か。」
「ちわす、…っじゃなくて、何やってんスか部室で!!!!??!!」
「ナニって見りゃわかんだろ?」
ああ、わかる。わかるともさ。
黄瀬だって健全な男子高校生、このテのビデオにお世話になったことだってままある。
だがしかし、わかるのと理解するのとはまた違うはず。
「わかるっスよ?わかるっスけど、理解ができないんスよ…」
「どう見たってAV鑑賞だろ。」
ウチには女子マネも監督もいねえしな。
憎々し気そうに言って再びテレビ画面に向き直る先輩たち。
サービスとばかりにわざとらしい喘ぎ声を漏らす画面の中の少女。
ああ、なんて馬鹿らしい日常。
テレビの中のドピンクな光景とは裏腹に、窓の外はやわらかな日の光に包まれて後ろめたいほどに長閑だ。
「…先パーイ、今日外練とかどうスかね?」
「んなもん笠松に言えっ」
窓の外を遠く見詰めたまま提案してみると切羽詰まった声が返ってきて、さすがに先輩たちがナニしている光景など見たくもない黄瀬は静かに部室を後にした。
「…誠凜行こっかなぁー…」
きっと黒子は黄瀬の顔を見るなりまた来たんですかと渋い顔をするだろうけれど、黒子っちに会いたくて来ちゃった、と笑えば、しょうがない人ですね、と言いながらも許してくれるのだ。
待っててね、黒子っち。
今すぐ君に、愛を告げに。
あとがき――――――――――
短っ。性少年がテーマです←
黄瀬と黒子は爽やかにかつ本能に忠実に青春していればいいと思います。
黄瀬はAVにはあんまり興味なくてそれよりくろこっちっ!!だったらいいなと。そういう願望を込めました。