黒子のバスケ

□未来を知らない僕たちは。
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幸せそうな寝顔が、黄瀬の胸の裡にじわりと黒い沁みを滲ませる。

それはいくら想っても届かないもどかしさと、苛立ち。

所詮彼が黄瀬に大人しく抱かれる理由は、その根底に潜むものは、ただの罪悪感にすぎないのだ。過去、黄瀬の手を無情にも振り払ったことへの無意識下での罪意識。

罪悪感、ですらないのかもしれない。黒子が抱いているのは黄瀬に対する憐憫だけかもしれないと、そんなことを、黒子の身体を抱きながらふと思うことがある。
強烈な快楽に呑まれて我を失った黒子が、その脳裏に思い浮かべるのは誰なのか。それが黄瀬ではないことは明らかで、彼が黄瀬に求めているのはセックスだけだ。
なら、黒子を抱かない黒子の想い人は?


「くろこっちは、酷いっスよね…」

「…何がですか」

返ってくるはずのない返事。
元々答えを求めていたわけではなかった独白に、たった今まで寝ていたとは思えない程はっきりした声音が続いた。

「!…寝てなかったんスね。」

「…黄瀬くんがずっと僕の顔を眺めてるからでしょう」

何も面白いことなんてないと思いますけどね、と。
先刻までの情事の名残で掠れた声が黄瀬の耳にいやに残る。

「……くろこっちは、やっぱ酷いよ。」

「だから何がですか…」

わからないのか。

黄瀬の気持ちを知っていて、それでも尚黄瀬に身体を捧げる、その慈悲の裏に隠れた残酷さが。

―――酷い人だね。くろこっち

身体はいくらでもくれるのに、
心なんか欠片もくれない。
見せてもくれない。

「ひどい…よ、くろこっち。」

ぼやけた視界。
無意識に伝う涙。
上手く笑えなくて引き攣った頬。

それを、また憐憫の瞳で見詰める黒子。


―――くろこっち、君は、オレに憐れみ以外は向けてくれないの?
―――好きだなんて、言うことさえ許してくれないの?

心さえくれるなら

身体なんかいらないのに。

愛を伝える術を、身体でしか与えてくれないなんて

「酷いっスよ…でも
―――愛してるんだ」


「…駄目ですよ、不用意に、そんなこと言ったら」



やっぱり君は、ただ静かにオレを見詰めて口づけた。



あとがき――――――――――
我ながら意味がわかりません。
こんなんですが私はとにかく黄→→←←黒が好きなので、これも一応そうです。
黒子もちゃんと黄瀬が好きです。ただ黒子は黄瀬を別世界の人だと思ってる節があるだけです。←わかりにくい

糖分200%くらいのが書きたい。いちゃこらしてるのだいすき。

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