吹雪士郎

□スキ ノ カタチ
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「虎丸くんのばかぁ!!!
もう知らない!!!」

「え…あの。
吹雪さ

「話しかけないでっ!!
大っ嫌い!!!」

「あ……。」







練習後。。







吹雪さんと喧嘩した。

というわけで仲直りのために付き合いも長い豪炎寺さんに相談してみました。




「っていう訳なんですけど……。」

「……。」

あ。
げっそりした顔してる。



「豪炎寺さん。
俺はどうしたら…」

「下らん…
俺はもぅ寝るぞ。」

「まっ!!
待ってください!!
俺は真剣に悩んでるんです!!」

ここで見放されたら一生仲直りできない気がした。

「だからって…




時計を見てから出直してこい!!」









現在3:30




午前






夜中の☆





「お前らは早く寝ろ。
もう、子どもが起きてて良い時間じゃないぞ。」

「子ども扱いしないでください!!
それに、俺、悪い子ですもん。」

ちょっと拗ねてみる。

豪炎寺さんは諦めたように大きくため息をつき、気だるそうに話した。

「……はぁ。
素直に話し合ってみたらどうだ。
吹雪だって話が分からない奴じゃない。
腹割って話したら解決するんじゃないか?」

「でも…。」

「1人でウジウジしてても解決する話じゃないだろ。」

「…はい!!
俺、直接話し合ってみます!!!」

さすが豪炎寺さん。
説得力が違うな。









明日は仲直りしよう。







「はぁ…。

子どもか








2人とも…。」






朝、ちょっと早めに起きて吹雪さんの部屋に行ってみる。





トントン





この時間、早起きな吹雪さんなら今頃静かに読書してるはず。



「吹雪さん。」

「!!
虎丸…くん。」

やっぱりそうだ。
単行本を片手にベッドに腰をかけていた。

僅かにカーテンから覗く朝日が吹雪さんの髪に反射してきらきらとしていた。



でも、俺だと分かった瞬間声のテンションが下がるのは流石に傷つくな。



「あの…。」

「僕、君と話す事なんて何もないんだけど?」


絶対零度の目。
怒ってる…

俺が何も言えずにいると、あからさまにため息を着いて俺の横をすり抜けていく。



このままだとまだ嫌われたままだ!!



「士郎ッ!!」

吹雪さんの小さい背中に呼び掛ける。
やっぱり名前呼びは恥ずかしいな。
きっと俺は真っ赤になってるはず。





ぴくっ






その事に反応して吹雪さんはドアに手をかけたまま停止した。



ココロの準備。

大丈夫。
一言言うだけ。たったそれだけなんだから。








「俺、士郎の事…すッ……好き」

「虎丸…。」



「ですけど。別に!!特別とか…そんなんじゃ……ないですからッ!!///」


これでも譲歩した方だ。

チラッと見てみると


あれ?

吹雪さんはこちらを向いて…



ぎゅっ!!




ふわんと白銀の髪が揺れ
吹雪さんの細い腕が俺の首に巻かれていた。


「虎丸!!
だぁいすきだよ!!」


吹雪さんは少し頬を染めてすごく綺麗な笑顔で笑った。





吹雪さんの機嫌も直ったみたいだし、これで一件落着です。


























吹雪くんの悩み事






虎丸が来る数時間前、豪炎寺の部屋にて。



「で?
緊急事態というのはどういうことだ?」

いきなり来るなり緊急事態だと騒いでいたのにいざ内容を聞くと黙ってしまう吹雪。


何があったんだ?
言い出しにくいことなのか…?



「あ…あのね。



もしもだよ。

豪炎寺くんに恋人がいたとして、
相手が本当に自分のこと好きか分からなくなったらどうする?」




はあ、やっぱり虎丸関連か。





「俺はそういうの疎いからな…。

やっぱり2人の問題だから2人で話し合ったら良いんじゃないか?」

「でも…。
僕はただ一言好きって言ってくれればそれでいいのに。」

「相手も話が通じない奴じゃないだろ。
腹割って話したら解決するんじゃないか。」



そんな下らないことで喧嘩か…



お前らはお子さまか。




「分かった!!
遅くにごめんね。
僕、明日虎丸くんと話してみるよ。」


ついに名前まで出すか。
隠していた意味がなくなったな。
まぁ、分かっていたが。


「あぁ、お休み。」







これで一件落着か。













数時間後


「豪炎寺さぁあん〜!!!」

はあ…。
喧嘩するのは勝手だが、












とばっちりは止めてくれ!!!!
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