ロイリザ短編

□遊園地デート
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 火曜日。
 遊園地の入り口で待ち合わせをしていたが、時間になってもリザは姿を現さなかった。
「おかしいな…」
 場所や時間は何度も確認したから、間違えている筈はない。かと言って、彼女が遅れることは普段ないので明らかにおかしい。

―――まさか、事故にでも・・・!?

 いてもたってもいられなくなったロイの耳に、遠くから、待ちわびた彼女の声が聞こえた。
「マスタングさんっ!遅くなってごめんなさい!」
 声のする方を振り返ると、そこには―――可愛い白のボレロに薄ピンクの膝丈ワンピースを着、髪をトップでお団子にしているリザの姿があった。
「ごめんなさい、こういう髪型した事がなくて、美容院に寄ったら遅れちゃいました…」
 今にも泣き出しそうな顔で申し訳なさそうに言うリザの頭を撫で、ロイは微笑む。
「構わないよ。お願い通り可愛い格好をしてきてくれたから、帳消し」
 頭をポンポンと撫でるロイの顔を、リザは恐る恐る見上げる。少し頬を染めて上目遣いに見つめるリザを抱きしめたくなったが、そこは何とかぐっとこらえてリザの手を取りエスコートする。
「さぁ、行こうか」
 リザははにかんだ笑顔で、ギュッと手を握り返した。
「・・・はい!」
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