ロイリザ短編
□束の間の休息
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プルルルル…プルルルル…
遠くから電話の音が聞こえ、はっと目を覚ます。愛犬のブラックハヤテ号が心配そうに自分を見つめていた。
電話に出ようとベッドから出た時に一瞬フラッとしたが、時計を見て慌てて受話器を取った。恐らく、電話の主は―――
「もしもし」
『中尉、何かあったのか?もう勤務時間だが…君が遅刻だなんて珍しい』
やはりそうだ。上官であり恋人でもあるロイ・マスタングであった。
「すみません、私としたことが寝過ごしてしまいました」
『具合が悪いんじゃないのか?いつもと感じが違うぞ』
「大丈夫です。すぐに行きますから」
ハヤテ号のご飯だけを用意して、バタバタと出ていく。