ロイリザ短編

□特別な日
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 東方司令部執務室。
 勤務時間は既に終わり、二人の男女が居残っているだけであった。
 嫌そうに書類を片付ける若い男が、見張り番のように目を光らせている女性に声をかける。
「リザ」
「何ですか、大佐」
 リザはわざと「大佐」を強調して返す。
 普段なら、二人きりの時は互いにファーストネームで呼び合うが、そういう時に「大佐」と呼ぶのは、決まって不機嫌な時である。
(参ったな…)
 それもそのはず、今日はリザの誕生日なのだ。
 本当は勤務後に誕生日を祝う予定だった。しかし、夜中まで掛かりそうな位書類がたまっている。
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