ロイリザ短編
□Valse du Petit Chien
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―――何から始めようかしら。
非番を迎えたリザは、起きて早々部屋を見渡しそう呟いた。買い物にも行きたいし、たまにはゆっくりハヤテ号とも遊んであげたいし、部屋の掃除もしたいし…。今日は午後からロイも非番なので、昼からはデートの予定だった。午前中に全て済ませてしまわないと。
考えを巡らせていると、足元の布団がもぞもぞと動き出した。どうやらハヤテ号が起きたらしい。
「おはよう、ハヤテ号」
声を掛けると、ハヤテ号はすぐにひょっこりと顔を出し、リザの姿を捉えるとわん!と元気に応えた。
朝食を済ませたリザは、早速部屋の掃除に取り掛かる。ハヤテ号は、ピカピカになった部屋で、嬉しそうに飛び跳ねている。
「っふふ、そんなに嬉しい?」
くしゅっとハヤテ号に触れ、さてと、と立ち上がる。家の中を確認して、買わなければならないものを頭に入れる。
「行ってくるわね、ハヤテ号」
パタパタと急いで出掛けるリザを、ハヤテ号は尻尾を振って見送った。
買い物から帰ってくると、マスタングさんとの待ち合わせ時間まであと一時間半。これならハヤテ号とゆっくり遊んであげられるわ。
リードを見せると、おいでと言わなくてもハヤテ号がやってくる。カチン、とリードをつけて、近所の公園に出掛けた。