ロイリザ短編

□遊園地デート
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「遊園地、ですか?」
 恋人の口から発せられた思いがけぬ単語に、リザは思わず瞬いた。
「そうだ。次の火曜日、非番だったろう?私も非番にしておいた!だから問題無い。」
 さらりと言ってのけるこの男は、焔の錬金術師、ロイ・マスタング。そして、リザの恋人でもある。
 彼は時たま、彼女の勤務表を見て、意図的に非番の日を合わせているのだ。
 今日はリザだけが非番で、彼女の家に晩ご飯を食べにロイがやってきていた。
「ですが、何故次の火曜日に?他にも非番の日はありますよ。」
「何だ?・・・そうか、随分と前のことだから、忘れていても無理はないか。」
 キョトンとした顔で見つめるリザに、ロイは思わず苦笑した。
「いや、何でもない。」
 尚も訝しげに見つめるリザに、笑顔で言う。
「可愛い格好で来てくれよ?」
「それは分かりません。」

 ピシャリと言われ、ロイはがっくりとうなだれた。
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