★長編小説★
□Prologue
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その頃、お弟子さんの家では―――
「いよいよ明日からだね。今日は早く寝な。夕方から弟子入りだろう?あんまり遅くまで起きてると、何も教わらないうちに寝ちまうよ、ロイ坊。」
ロイ坊、と呼ばれた青年が苦笑しながら分かったと言い、自室に戻っていく。
ドアが閉まるのを見届けてから、「ロイ坊」と呼んだ彼とはあまり似つかぬ顔の女性がウィスキーを一口呑む。
「途中で音を上げて帰ってくるんじゃないよ、頑張んな、ロイ坊…」
優しい声でそう呟き、また一口、ウィスキーを煽った。
ロイ坊と呼ばれた青年は、荷造りをするとすぐに床についた。
しかし…
「緊張しすぎて眠れない…」
彼もまた、リザ同様に、なかなか寝付けないのであった。