★長編小説★

□Prologue
2ページ/2ページ

 その頃、お弟子さんの家では―――

「いよいよ明日からだね。今日は早く寝な。夕方から弟子入りだろう?あんまり遅くまで起きてると、何も教わらないうちに寝ちまうよ、ロイ坊。」
 ロイ坊、と呼ばれた青年が苦笑しながら分かったと言い、自室に戻っていく。
 ドアが閉まるのを見届けてから、「ロイ坊」と呼んだ彼とはあまり似つかぬ顔の女性がウィスキーを一口呑む。
「途中で音を上げて帰ってくるんじゃないよ、頑張んな、ロイ坊…」
 優しい声でそう呟き、また一口、ウィスキーを煽った。



ロイ坊と呼ばれた青年は、荷造りをするとすぐに床についた。

しかし…

「緊張しすぎて眠れない…」
彼もまた、リザ同様に、なかなか寝付けないのであった。
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ