紫陽花と向日葵 U

□第四十二話 「crisis!!」
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シンジはただ走った



そして
ただ加持を
助けることだけを
考えていた




場所は何故か
分かっていた




頭の中に突如
現れた場所、


そしてそこに
加持が立っている
姿が見えた




ー加持さん!!ー





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時を同じくして、
加持はとあるゼーレ
の施設にいた




その目的は
囚われの身と
なっている冬月を
助け出すこと




「…俺の目の前に
道はないが…俺の
後ろにも、もう道はないな…」




覚悟を決めた
加持は、
冬月の部屋の前の
見張りに銃を向けた





「………!!」





見張りの対応が
一瞬遅れる、


加持の指先の方が
見張りのそれより
早く動いた






ーバンッ!!ー




次の瞬間には
その男は
血だまりの中に
倒れていた






「………」






加持はドアを開けた





「…冬月副司令」






「……君かね…加持くん…」




冬月は、かなり
衰弱していた




「…さぁ、早く
逃げてください!!
ここから北への
ルートは安全を
確保してあります!!」




「…君は…どうする気だ…?」




「…私にはまだやることがあるので…
ではお元気で…」




「……あぁ…すまないな…」






冬月は思った、


この男と
生きて会うことは
もうないだろう、と










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